現代では高年収と言われる年収1,000万を稼ぐ男(40代)がマッチングアプリに挑戦したところ、ビジネス戦略やマーケティング、経済学などと非常に共通項の多いジャンルであることに気付いたと言う。
今回はマッチングアプリ(恋愛・婚活)×ビジネスというテーマでの学びを共有していきたいと思う。
恋愛を制するものは、ビジネスでも上手くいく。あながち間違いではないのかも知れない…
今回は取材結果もあわせて紹介していきたい。
金を持っていればモテる(若ければ特に)というのは、紛れもない事実であるため、野心のある稼ぎたい男性は是非参考にして欲しい。
そっけない会話、未読無視…… 高年収の男性が体験した「理不尽な婚活」
今や多くの人が利用しているマッチングアプリ。その特性をもとにした、さまざまな攻略法が、ちまたにあふれているが、彼は文字通りマッチングアプリからビジネス教養を見出し、攻略法を導いたようであった。
実際の内容に基づき紹介していこう。
2018年、当時私が39歳のときにマッチングアプリの存在を知り使ってみました。
しかし、使い始めてから2ヶ月でマッチングは2件ほど。メッセージは2往復も続きませんでした。そのときは『これは、ダメだ』と思い、アプリを削除しましたが、2022年に再び、結婚への思いと婚活市場への興味が募り、婚活パーティーや結婚相談所への登録などをして、婚活を再開しました。
婚活を始めた2022年当時の彼のスペックは、43歳で大手日経プライム企業に勤める年収約1000万円。結婚歴無しで長男だが、親も元気なので介護や同居の必要もない。
正直スペックだけ見ればかなりの優良物件と言えるレベルの男性である。
年齢と容姿を除けば、結婚詐欺みたいな好印象なプロフィールですよね(笑)
と話す彼であったが、2022年までに会った100人近くの女性のうち交際に至ったのは1人だけ。彼女にも3カ月後にはフラれてしまったとのこと。
パパ活女子?に20万円くらいのバッグを買わされそうになったり、
婚活パーティーなどで会っても会話してもらえなかったり、
とにかくいろいろ、散々な目に遭いました。
ドラマを見るのが好きだと女性が言うので、『どんなの見るんですか?』と聞いても『いろいろです』と一発で会話のシャッターが降りてしまう。
『いろいろです』というセリフが『あなたには興味ないからもう聞くな』という意味だと理解するまで数ヶ月かかりましたね(笑)
他にも交換したLINEにメッセージを送っても未読スルーされて、永遠に既読がつかないこともザラでした。
このような体験を通して、彼は婚活市場が持つ2つの特徴を次のように分析したという。
キャズム理論やVIRO分析によるマッチングアプリの攻略法
※キャズム理論:導入期で成功した製品が、成長期において様々な制約条件に負けて溝(キャズム)に落ちで消えていくという現象を捉え、キャズムを乗り越えるためのマーケティングアプローチを示した理論
※VIRO分析:自社の経営資源や競合優位性を把握するために、有形資産や無形資産、そのほかにも企業の組織力などを含めて分析をおこなうフレームワーク
1つは『スペックの可視化』の重要性です。
マッチングアプリや婚活パーティーでは相手を年齢、年収、職業、学歴などの項目でスペックを可視化できます。これによって、理想とする異性を比較することが可能となりました。
2つめは『出会いの多頻度化』です。
婚活市場ではスペックでソートをかけた相手と短時間で手軽かつ無制限に出会うことが可能です。
このスペックの可視化と出会いの多頻度化によって、理想的な配偶者を比較して、いわば商品のように選ぶことが可能になりました。こうして利用者は婚活市場のプレーヤーとなり、独特の力学を生み出すようになります。
その後『当時の婚活で負った傷が癒えてきたとき、マッチングアプリを含めた婚活とのうまい付き合い方も提示しないといけないと思うようになった』とのことです。
スペックの可視化と出会いの多頻度化によって、例え年収1000万円であっても、アプリでは数多くいる年収1000万円ゾーンの1人でしかなくなります。
つまり、横並びの婚活市場では自分の比較優位を際立たせるニッチな部分、凸(デコ)をいかに発見するか、という戦略が重要になるのです。
Q.つまり、マッチングアプリを最大限活用するには、同じ市場にいる競合を分析して、自分が優位に立てるべき場所を見つけ、徹底的に攻めていくことが必要になるのでしょうか?
おっしゃるとおりです。
4P/4C分析、キャズム理論、VIRO分析などでプロフィール作りや自分に興味を持ちそうな女性の絞り込みを行っていくことが必要になりますね。
かなり手間のかかる部分ではありますが、ここを攻略できれば例えば月額5,000円で50人以上の女性とマッチ→何らかの関係性に持ち込むことができます。
となると、1人当たりの獲得単価は100円程度になるので….(割愛)
では、どうすれば横並びの婚活市場で自分の比較優位を際立たせるニッチな部分を見つけられる(作れる)のでしょうか?
私の経験では、取材でインタビュー記事が公開され、露出が増えたことで、『会いませんか』というメッセージが来るようになりました。
様々なメディアに取り上げられたことで、狭い分野でも著名人という立場を得たことで、意図せず私に凸部分が生まれてしまったのだと知りました。
なるほど…
ただこの場合、何も誇れるものがない。持たざる者と言われる立場としては辛いものがありそうですね。
そうですね。おっしゃるとおりだと思います。
ただ、これも市場の原理なので、逆に言えば戦う場所・対象とするターゲット像の女性を明確化して正しいコミュニケーションさえ取れれば何の問題もなく女性と関係はモテますね。
確かに。僕もヤリモクならハッピーメール。恋活なら華の会を利用しています。
目的に応じて使い分けること、対象にあったコミュニケーションを心がける。
これが重要なんですね。ありがとうございます。
まあ細かいことが知りたいのであれば、僭越ながら〇〇に市場選定から攻略法までまとめたものがあるので、見ていただけると話が早いと思います。
※追記
確かに僕の実際の経験も含め納得感のある内容でした。
先生ありがとうございました。
意外なものからビジネスを見出す その道の研究者がやっている「遊び」とは
彼はマッチングアプリとビジネスを関連させていた。このように意外なものから、ビジネス的要素を見いだすことはビジネスマンにとって大きな強みになるはず。そのような思考のコツを述べてくれました。
1つはきちんと先端的な理論を知ることです。
一般的なビジネス書の理論は古いものが多いので、もう少し専門的な本や論文を読むと新たな知識との出合いが得られると思います。とはいえ、これらを伝えるのはその道の研究者の仕事なので、我々が十分に伝えられていないという反省もあります。今後は、私も専門書と並行して、そうした一般の方に伝わりやすい本を書いていきたいと思っています。
ただし、学ぶといっても、その姿勢によって使いこなせるかどうかが変わってくるという。
『管理職になったから』『仕事で役立ちそうだからとりあえず勉強しよう』という姿勢では、実は自分のものとして使いこなせません。
経営学は会社や管理職のための学問というイメージがありますが、先端の経営学の理論は、必ずしも企業経営だけを対象にしているわけではありません。
それを知ればあらゆることが経営学で説明できる楽しさがあるんです。
サッカーでも、釣りでもあらゆることを経営学的側面から説明できます。
そういう楽しさを日常で見いだせたら、職場や会議でも『あっ!』というインスピレーションが生まれるはずです。
世界が違って見えたら、行動もおのずと変わりますからね。
彼は「ネタ話」として、日常的な物事を経営学で読み解く「遊び」をしているのだとか。
普通のサラリーマンにはなかなか難しい習慣かもしれないが、そのような思考を養っておけば、仕事で役に立つこともあるかもしれない。
例えば、コンビニで新商品が出た際、彼は
この商品はどんな企画会議をして通ったんだろう
とつい考えてしまい、それがコケそうな商品であればあるほど考えがいがあり、楽しくてしょうがない」のだそう。
また、かつてジンギスカン味のキャラメルやたこ焼き味のキャンディ、シチュー味のガリガリ君などのマズさを売りにする土産物が流行しました。
さらに、それらは各地で発売され、マズい土産を専門に作る会社まで出現したことがありました。
これは経営学でいう新結合という現象です。
新結合とはこれまでにない組み合わせで新たな価値を作り、イノベーションを起こすことを指します。
ペットボトルのお茶も典型例で、これは『お茶は急須でいれる』という日本社会の概念を変えました。
マズい土産物も、マズさを価値に変え、それを紹介するブログも出現するなど、今までにない行動を生み出しました。
こうした意外なところでもイノベーションは起きるので、日常的に社会を観察していくと仕事へのヒントも見つかるはずです。
ありがとうございました。
日常的に考える習慣が重要であり、それは恋愛でもビジネスでも共通して言えることであると改めて考えさせられました。
彼の究極の書である〇〇を参考までに掲載しておきますので、気になる方はチェックしてみてください。